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2009/02/17

松本秋則さんというオブジェ作家

松本秋則タイオン私が1以前からとても好きで、いつも個展の案内を頂いている造形アーティストで「松本秋則」さんという方がいます。
彼は竹を材料としてモビールのようなオブジェを作っていて、小さなモーターを仕込んでちょっとした動きを出したり、音を出したりするような、癒しの作品をいろいろと作られています。
先日、その松本さんの個展が六本木であったので、見てきました。
展覧会の名前は「タイオン演奏会」というのです。

「タイオン」とは何だろうと思って、会場でその意味が分かりました。
「タイオン」とは「体温」なんです。彼の作ったオブジェは、写真のように天井からつるされた大きな風車と、その回転力で竹の上を棒が転がって音を出す、オブジェなのです。
会場では、そのようなオブジェがたくさん天井から吊るされていているだけなのですが、その会場に入って、そのオブジェの下にいると、その自分の体温で周りの空気が暖められて上昇し、この「タイオン」というオブジェの羽を回して、ポロロロロロ・・・と音を出すのです。
ですから、沢山の人がいると上昇気流が沢山でてあちこりから音が出るようになります。だから「タイオン演奏会」なのです。
ただ、夏場などは、周辺との空気の温度差が少ないので、上昇気流も少なくて、あまり「タイオン」は回らないとのことで、まさに、冬の空調も控えめの環境が必要だそうです。
このように、私たちは日常の生活で「体温」を実感することは少ないですが、その「体温」を使って、羽を回すという「可視化」のアイデアと、音に変換するという「温感」から「聴覚」へのみごとな変換に感動しました。 いや~ホントに素晴らしいです。