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2009/10/22

強力磁石によるモーゼ効果

モーゼ効果の実験モーゼ効果とは、水のような液体の磁性体が、磁力の影響を受けて引っ張られたり、押し込まれたりする現象です。
この写真では、強力なネオジウム磁石の対の中に青い液体の入った薄い水槽を入れています。
写真を良く見ると、磁界の中の中央の部分の青い液体が盛り上がっています。この青い液体は硫酸銅の水溶液で、磁石に引かれる性質があります。

しかし、硫酸銅の水溶液はそのままでは比重も重く抵抗もあるので、いくら強力なネオジウム磁石のそばに寄せても、目に見えるような形には膨らんだりはしません。
そこでこの硫酸銅の水溶液の上半分の透明の液体部分は、硫酸銅の水溶液とほぼ似た比重の反磁性の液体です。この二つの性質を持った液体が、透明な容器に入っています。モーゼ効果のs説明つまり、同じ比重同士の液体なので、ちょっとした力を受けても、変化が明瞭に見えるのです。
そのために、ネオジウムの磁界の中に、この容器を入れると、青色の硫酸銅の水溶液は磁石に引き寄せられふくらみ、透明な反磁性体の液体は押し出されてへこんでいるのです。
硫酸銅という物質は、おせんべいの袋などに入っている吸湿剤(シリカゲル)の袋の中で、最初はピンクだったのが、しけてくると青色に変化する、あの物質です。
モーゼ効果とは、旧約聖書に出てくる話で「モーゼが奴隷のように扱われていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する途中で海岸に追い詰められた時に、海が割れて、そこを通って脱出するこが出来た。」という話から、磁力をもって水面を上げたり下げたりする事が出来るということで呼ばれるそうです。
この写真は、去年、埼玉県の理化学研究所の一般公開日で紹介されていた実験です。