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2009/11/10

ジュネーブで見たケーブルカーの写真

スイスで見たケーブルカーこの写真も、前回ご紹介したライン川の渡し舟と同じく38前のヨーロッパ貧乏旅行中の時に見つけたケーブルカーの写真です。
場所はスイスのジュネーブだったと思うのですが、インターネットで探しても見つかりませんでしたので、私の記憶違いだったかもしれません。でも、とりあえずジュネーブとしておきます。
このケーブルカーはジュネーブ市内の高い地域と低い地域を繋いでいるケーブルカーです。

普通のケーブルカーケーブルカーの構成はよくあるケーブルカーと同じで、2両のケーブルカー車輌が、上の駅にある滑車をはさんで1本のワイヤーで繋がっていて、つるべ井戸のように片方の車輌が上がってゆくと、反対側の車輌が下って行くという構成です。
通常は、上の駅の滑車をモーターで回してケーブルカーを動かしています。

しかし、私が見たこのケーブルカーは、そのようなモーターなどの動力は使っていないのです。では、どうやって動いているかというと、その地域に流れている小川の水を利用した「水力エネルギー」なのです。その仕組みはとてもうまく出来ています。

ケーブルカーのしくみケーブルカーの客室の下は大きな「水タンク」になっています。
ケーブルカーの車輌が上の駅に到着すると、上の駅のホーム下から突き出している給水パイプから、タンクに水が流れ込みます。タンクの水が満タンになると発車準備が完了します。
車輌はタンクの水で重くなっているので、ケーブルカーの運転手さんはその車輌のブレーキを緩めます。するとズルズルと下がり始め、当然、反対側の車輌も登り始めます。そして、ケーブルカーは下の駅へと到着します。
下の駅に到着したケーブルカーの車輌は、バシャ~とタンクの水を排水します。同時に、反対側の車輌は上の駅で、タンクに水をため始めます。

▼下の左側の写真は、上の駅の写真です。ホームの下にレールをはさんで両側にパイプが突き出しているのが見えると思いますが、このパイプが給水用のパイプです。中の写真は登ってゆく車輌を下から写したものです。レールが3本あって、真ん中のレールが上り下りで共用しています。レールの間にある細かい横スジがある部分はブレーキ用のギヤが噛むギザギザだと思います。
右端の写真、ケーブルカーのタンク部分横には給水用の水を受けるパイプが見えています。
上の駅の様子 上ってゆく車輌を下から ケーブルカーの横面

同じ方式で走るケーブルカーがありました。構造についても書かれています。「ドイツの水力鉄道

こうして、自然エネルギーをうまく利用した水力エレベーターは、日常の市民の足としさりげなく使われていることに、とても感動しました。
繰り返しになりますが、こういう技術を普通にさりげなく利用出来ることが本当に科学的な考え方だと私は思っています。
そういう話をしたいと思って、手帳にこの写真も入れていて、人に見せたりしています。