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2011/01/13

テオ・ヤンセン展見てきました

テオ・ヤンセンお台場の「日本科学未来館」でやっているオランダのキネティックアーティストの「テオ・ヤンセン」展を見てきました。
テオ・ヤンセンというアーティストは、私は知らなかったのですが、先日テレビで紹介されていて、パイプで組まれた異様な形をしたオブジェのような巨大な物体が、生物のように脚を前後させて動くのです。そして、その動力というのが海岸に吹く「風」というのです。生物のように歩いて動くので、作者は「ビーチアニマル」(砂浜生物?)と名付けています。
テレビの紹介ではお台場の日本未来科学館でやっているとのことだったので、私も未来館の友の会の会員でもありますし、早速見てきました。友の会の会員でも別途イベント用に1000円も払わなくてはならないというのに、ちと疑問も感じましたが、まあ、日本の科学振興のためと、払って入場しました。

入り口で、その動きのメカニズムが紹介されていましたが、不思議な造型が、まるで生命があるかのように、脚を交差させながら、砂浜を歩いているのです。リンク機構を巧みに組み合わせて、風力や人力で本体が動く力を利用して、独特のメカニズムで、脚を前後させて生き物のように動くメカニズムというのが作者のこだわりの核心なのでしょうね。時代を経ることに、作品のメカニズムに、新しい要素が組み込まれ、また作品は巨大化して、まさに恐竜の進化のようです。
いやいや、驚きましたね。 そのメカニズムが物凄く面白い・・
会場では、作者の作品の「進化」の過程がいろいろと語られていました。作者としては「ビーチアニマル」と名付けているように「生物」として捕らえていて、新しく大きくなってゆくのを「進化」としているのですね。
初期は海辺の風に押されたり、手で押したり引いたりして動いていたのが、世代を重ねるごとに、ピストンポンプを組み合わせて、移動するエネルギーでポンプを動かして、空気をペットボトルに貯めて、その力を利用して動くように、また進んでいるときに、先端部に突き出ている棒(触覚)に手を触れると後ろに後退するように動くなど、確かに初期の作品から、世代を重ねるごとに進化しているのが見られて、とても面白いです。ただ、未来館の展示品としては、もっとメカニズムとかの紹介が多くてもよいかとは思いました。
テオ・ヤンセンの作品 テオ・ヤンセンの作品 テオ・ヤンセンの作品
クイックタイムの動画は《こちら》50Mほどありますので、注意してください。
でも、構造は単純で、分かりやすくて、まさに私のイメージしている「持ち帰れる科学」ですね。つまり、家に帰ってから、自分で工夫して作ってみたくなるような単純な構造です。
科学展示で大切なことは、物を見てから、自分の家に帰って「あれ、作ってみたい、ボクにも作れそう」と思えるような展示が大切だと思いました。